Cape HEIGHTS PEOPLE VOL.5 原育世(銭湯・ゲーム会社広報)

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ケープハイツがテーマに掲げる“熱量”。それは、雪山などの厳しい自然環境はもちろん、先行き不透明な都市生活のなかにあっても、我々をその先へと導く羅針盤になるはずだ。
そんな“熱量”を持って日々を過ごし、自分らしく生きる人々こそが“ケープハイツピープル”。連載5回目となる今回は、東京・北区の老舗銭湯にお邪魔した。
地域の人と手を取り合い、巻き込みながら
面白い仕掛けを作っていく
都内のゲーム会社で働きつつ、婚家の家業である銭湯でも広報活動を行う1児の母。常にエネルギッシュな原 育世さんは、自分の原点をこう語る。
「小さい頃から、とにかく人を集めることが好きで。集まって楽しそうなことをしたり、人がやっていることになんでも興味を抱いてしまうような女子でした。来るもの拒まず、という感じで。だから今も、いろんなことに挑戦中です」
実家は、祖父の代から続いているというクリーニング店。義理の両親や夫とともに銭湯の仕事をすることに、裏方的な楽しみを感じているようだ。
「義理の父が保護司を務めていた関係もあって、うちの銭湯には住み込みで働くような土壌がありました。それと、この辺の地域は古くから続く専門店とチャレンジングな新しいお店が混在するなど、個性的な雰囲気があって。それらにすごく可能性を感じて広報を始めました。旦那さんも柔軟な性格の持ち主で、友達に頼んでグッズを作ったり、一緒にアイデアを形にしていけるからすごく嬉しい。私が広報を担当するようになって5年ほど経ちましたが、これまでに思い出深いイベントがたくさんあります。
“銭湯のピアニスト”という名前でグランドピアノを銭湯に持ち込んでイベントを開いたり、男女の仕切りの壁をまたぐほど大きな和太鼓の櫓を建ててライブを行ったり。近所のコーヒーショップとのコラボイベント“珈琲牛乳フェス”もおかげさまで評判で、銭湯の中庭で出店が出たりもしています。近所の方と手を取り合い、地域を巻き込みながら、何か面白い仕掛けを作る。みんなの喜んでいる顔を見るのが一番の楽しみです」
仕事はもちろん、育児も奮闘。
次なる場所を探して、行動は止まらない。
まさに天職ともいうべきか、ゲーム会社でも広報を務める原さん。現在はテレワークと出社の半々で、会社の仕事は主に銭湯の中庭に設けられたワークスペースでこなす。その傍ら、4歳の一人娘の育児にも奮闘。毎日の送迎は原さんの担当だ。
「雨の日も風の日も自転車で(笑)。幸い、近くの保育園に預けられているので、そこまで苦ではありません。夫婦分業で育児できていますし、料理なんて私よりも上手なくらい。とはいえ、子どもはやっぱりアンコントロールな存在。こっちのペースお構いなしに、次々にハプニングが起きるので飽きませんね。だから最近は、いい意味での諦めが肝心だと思うようになりました。見せたくないTVも見たがるし、着せたくない服も着たがるし(笑)」
この日も生憎の雨。いつもの電動自転車を引っ張り出し、ケープハイツのポンチョを頭からかぶった。
「最初はユニークなビジュアルに惹かれたんですが、すごく実用的でいいですね。軽くて暖かいから仕事中も育児中もラクだし、撥水性のあるシェル素材が軽い雨を弾いてくれる。脇下のボタンを外せばブランケットのように広がるから、子どもが寝ちゃった時は掛け布団がわりにもなります。うん、すごくいい!」
その“熱量”高き行動力は、これからどこに向かうのだろう。次なる目標を聞いてみた。
「私はいろんなことに興味を持つ反面、すぐ次に行きたくなる性格で。今とは違うジャンルでも面白いことができないかな、と模索中です。そのための場所を探していますね。それが形のある何かなのか、人間関係なのかはわからない。周りや家族と協力し合いながら、楽しいコミュニティが作っていけたら最高です」
PROFILE
原 育世
会社員としてダーツゲームの広報を担当する一方で、東京は駒込で60年以上続く老舗銭湯の広報も務める。銭湯では掃除や番頭の仕事を手伝うことも。
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